13 土地と建物の理想的な比率は?|家づくりの予算バランスを考える


「土地にお金をかけるべきか? それとも建物にかけるべきか?」
家づくりを考え始めると、誰もが一度は悩むこのテーマ。
今回は、私が実際に**住宅展示場の見学後に直面した“現実的な予算の壁”**についてお話しします。


◆ 総予算は“住宅ローンの上限”を基準に設定

私はまず、家づくり全体の総予算を決めるところから始めました。
いろいろ調べると、一般的に「住宅ローンは年収の7〜9倍までが上限」と言われています。
そこで私は、自分一人で組めるであろう上限に近い金額を総予算の目安としました。

👨‍🦰私:「収入からすると、このくらいが現実的な限界かな。」
👩妻:「月々の返済額も無理のない範囲にしたいね。」

たしかに、上限いっぱいのローンを組むのはリスクもあります。
ただし、いまの住宅ローンと比べて、支出がどのくらい増えるのかを具体的に試算してみると、
「耐えられない金額ではない」と判断しました。


◆ 現在の住居費と比較して考える

我が家は現在、分譲マンションに住んでいます。
ローン返済のほかに、

  • 管理費
  • 修繕積立金
  • 駐車場代

これらの費用をすべて合計すると、実際の「月々の住居費」は決して安くありません。
そのため、新築の戸建てを購入した場合に月々の返済額が多少上がっても、
総支出としては大きく変わらないのではないかと考えました。

💬営業マン:「今のお支払い額をベースにすると、戸建てでも十分検討可能ですよ。」
👨‍🦰私:「なるほど、思ったより現実的かもしれません。」


◆ 積水ハウスの営業担当者からの一言で気づいたこと

住宅展示場で積水ハウスの営業担当者と話をしていたとき、印象に残った言葉があります。

💬営業マン:「土地にあまり予算をかけすぎると、建物の選択肢がかなり狭まります。」

この一言で、私はハッとしました。
私はもともと、土地に多くお金をかけたい派だったのです。

「土地は資産として残るもの。将来的に価値が落ちにくい。」
そんな考えを持っていました。
しかし、営業マンの話を聞くうちに、土地と建物のバランスの大切さに気づかされました。


◆ 建設費の高騰、坪単価100万円時代へ

ここ数年、建築費が大きく上がっています。
ニュースやSNSでも話題になっていますが、
大手ハウスメーカーでは坪単価100万円を超えることも珍しくありません。

👨‍🦰私:「坪100万円…。思っていたより高いな。」
💬営業マン:「はい。特に注文住宅の場合は、構造や性能によってさらに上がるケースもあります。」

つまり、延床面積40坪の家を建てると、建物費用だけで4,000万円近くになる可能性も。
ここに外構費や諸費用が加わると、あっという間に予算オーバーです。


◆ 「土地重視派」だった私の考え

私が土地にこだわりたかった理由は、将来の資産価値です。
今住んでいるマンションも、駅近の便利な立地にあります。
そのため、「どうせ家を建てるなら、利便性の高い場所にしたい」と考えていました。

👨‍🦰私:「駅から遠い場所は、将来の資産価値が心配なんです。」
💬営業マン:「そのお気持ちはよくわかります。ただ、土地の価格が高いと建物の品質を妥協することになります。」

確かに、将来的に日本の人口は減少していくことが確実視されています。
不動産市場も今後二極化が進み、
「便利な土地」と「そうでない土地」の価値差はさらに広がるでしょう。

その意味で「土地に価値を置く」考え方は正しい。
しかし、土地にすべてを注ぐと、肝心の建物が建たない
ここに家づくりの難しさがあります。


◆ 理想的な土地と建物の比率とは?

ネットで調べた情報や、営業マンの話を総合すると、
**「土地1:建物2〜3」**くらいの比率が理想的とされています。

たとえば、総予算が5,000万円の場合──

  • 土地:2,000万円
  • 建物:3,000万円

このくらいの配分がバランスが良いようです。
実際にこの比率で考えると、土地にどれだけお金をかけられるのかが見えてきます。


◆ 土地2000万円で探すという現実

とはいえ、私の希望エリアで2,000万円の土地を探すのは簡単ではありません。
名古屋市のような都市部では、駅徒歩圏内の土地は狭くても3,000万円以上するケースが多いのです。

👨‍🦰私:「2000万円以内の土地って、そもそもあるのかな…?」
👩妻:「条件を少し緩めるしかないかもね。」

しかも、土地にかかるのは土地代だけではありません
仲介手数料や登記費用、造成費用など、さまざまな諸費用が発生します。
そのため、実際に1,700万円前後の土地を目安に探す必要があります。


◆ 土地探しの“落とし穴”にも注意

土地の価格だけを見て決めてしまうと、後から「想定外の費用」が出てくることがあります。

💬営業マン:「たとえば、地盤改良が必要な土地だと、数百万円の追加費用がかかることもあります。」

また、上下水道の引き込みがされていない土地も要注意。
この場合、別途工事が必要になり、コストが増加します。
安い土地には理由がある──まさにその通りです。


◆ 家づくりは“トータル予算”で考える

家づくりを考えるうえで大切なのは、
「土地代+建物代+諸費用+外構費」すべてをトータルで見ることです。

一般的には、総予算のうち10〜15%程度は諸費用として見ておくのが安心。
住宅ローンの手数料、登記費用、火災保険、地鎮祭費用、引っ越し費用など、
細かい支出を合計すると、意外と大きな金額になります。

👨‍🦰私:「やっぱり、全体のバランスを考えないとダメだな…。」
💬営業マン:「はい。理想の土地も建物も“ちょうどいい”ところで折り合いをつけるのが成功のコツです。」


◆ 私が出した結論:「土地にこだわりすぎない」

住宅展示場での体験を通して、私はひとつの結論にたどり着きました。
それは――

「土地にこだわりすぎないこと」

もちろん、立地は重要です。
しかし、「土地>建物」になってしまうと、
住み心地や耐震性、断熱性能といった「暮らしの質」を犠牲にすることになります。

最終的に残るのは、毎日の生活の快適さです。
そのためには、土地と建物のバランスが何より大切だと感じました。


◆ まとめ:理想の比率は「土地1:建物2〜3」

この記事のポイントをまとめると、次の通りです。

項目理想的な配分注意点
土地総予算の約30〜40%諸費用込みで考える
建物総予算の約60〜70%坪単価上昇に注意
諸費用総予算の10〜15%地盤改良・登記費など

つまり、土地1:建物2〜3の比率が現実的であり、
5,000万円の予算なら土地2,000万円・建物3,000万円が目安。
ただし、地域によってはこのバランスが変わるため、
「土地価格の相場」を知ることが最初の一歩です。


👨‍🦰私:「理想の家づくりは、“土地と建物のちょうどいい関係”から始まる。」
👩妻:「うん。現実的なバランスを見つけるのが大事だね。」


◆ 次回予告:「総予算、どうやって決めた?」

次回は、実際に私がどのようにして住宅購入の総予算を決めたかを、
具体的な数字とともにお話しします。
「住宅ローンはいくらまで組めるの?」「頭金はどれくらい必要?」
そんな疑問に答えながら、リアルな家づくりの裏側を紹介します。