〜家づくり初心者が最初にぶつかった「選択の壁」〜
■ モデルハウス見学へ
前回、偶然見つけた近所の売地に、胸を高鳴らせながら電話をかけた私。
その不動産業者の担当者と、週末に会う約束をしました。
👨💼 営業マン(電話口)
「もしよければ、弊社のモデルハウスを一度ご覧になりませんか? 車で30分ほどの場所にございます。」
👨 私
「ぜひ!家族も連れて伺います。」
週末。
妻と子どもを連れ、期待を胸に車を走らせました。
ナビの案内に従って住宅街を抜けると、そこには白い外壁が印象的なモデルハウスがポツンと一棟。
「おお、ここか……!」
私のテンションは最高潮。
初めて“自分の家”をリアルにイメージできる瞬間でした。
■ 妻は冷静、私は舞い上がる
👩 妻
「ほんとに家、建てるの? まだ早いんじゃない?」
👨 私
「いや、まだ建てるって決めたわけじゃないけど、見るだけでもいい経験だろ?」
実は妻、どちらかといえば慎重派。
これまで5年間住んできた分譲マンションにも大きな不満はなく、
「子どもが小学校に上がるまでは、引っ越しは考えなくてもいいんじゃない?」
というのが彼女の本音でした。
しかし、私はもう違っていました。
あの“売地の看板”を見つけた瞬間から、
私の中では「家づくり」が一気に現実味を帯び始めていたのです。
■ モデルハウスの中へ
玄関を開けた瞬間、木の香りがふわっと広がりました。
床材はオーク調。リビングには吹き抜けがあり、日差しがたっぷり。
👩 妻
「わぁ、明るいね。こういう間取り、いいかも。」
👨 私
「天井高いなぁ……開放感がすごい。」
👨💼 営業マン
「ありがとうございます。こちらは弊社の標準仕様の建売モデルなんですよ。」
「建売」という言葉に少し引っかかりながらも、
私は「自分の家を持つ」という夢の方に気持ちが傾いていました。
■ 営業マンとの打ち合わせ
モデルハウスの見学が終わると、
テーブルに座ってアンケートを記入。
そこからが本番でした。
👨💼 営業マン
「実は、先日お電話いただいたあの土地なんですが、
弊社が建売住宅を建てて販売する予定の区画なんです。」
👨 私
「そうなんですね……土地だけの販売ではないんですか?」
👨💼 営業マン
「いえ、実は“今のタイミング”なら土地だけの購入も可能です。
ただし、建売として進めてしまうと、個別販売は難しくなります。」
👩 妻
「なるほど……。でも、建売って、もう間取りが決まってるんですよね?」
👨💼 営業マン
「はい。ただ、今でしたら多少の内装変更や間取り調整は可能ですよ。」
この「今なら間に合う」という言葉に、
私は心を掴まれてしまいました。
でも、頭の片隅で「本当にそれでいいのか?」という疑問も。
■ 建売住宅と注文住宅の違いとは?
帰りの車中。
妻と話していて改めて気づいたのは、
自分たちが**「建売」と「注文住宅」の違いをよくわかっていなかった**ということ。
そこで、その夜、私はネットで徹底的に調べました。
● 建売住宅とは
すでに土地と建物がセットで販売されている家。
間取り・仕様は業者が決めることが多く、完成済みまたは建築途中の状態で販売されます。
メリット
- 価格が明確で、即入居できることも多い
 - 実物を見て購入できる安心感
 - 費用を抑えやすい
 
デメリット
- 間取りや仕様の自由度が低い
 - 断熱材・構造など“見えない部分”が分かりにくい
 - 同じようなデザインの家が並びがち
 
● 注文住宅とは
土地を購入し、ハウスメーカーや工務店と相談しながら一から建てる家。
メリット
- 間取り・デザインを自由に決められる
 - 納得感が高く、愛着が湧く
 - 家族のライフスタイルに合わせた家づくりが可能
 
デメリット
- 打ち合わせや設計に時間がかかる
 - コストが読みにくい
 - 完成までに長期間を要する
 
👨 私(心の声)
「なるほど……。建売は“早く安く”、注文住宅は“理想を形に”。
どっちを取るかは、家族の価値観次第だな。」
■ 家族会議、開幕。
その晩、マンションのリビングで家族会議が始まりました。
子どもは早めに寝かせ、妻と二人、コーヒーを飲みながら話します。
👨 私
「正直、建売でもいいかなと思ってる。
完成してからじゃないけど、内装も多少いじれるみたいだし。」
👩 妻
「うーん……でもせっかくなら、自分たちの理想を詰め込んだ家を建てたい気もする。
どうせ一生住む家なら、妥協したくないかな。」
👨 私
「それもわかる。でも予算が問題だよね。
建売なら土地込みで○○万円くらいだけど、
注文住宅ならそれにプラスして設計・施工費がかかる。」
👩 妻
「でも、建売を買って“ここが気に入らない”って後で言うのもイヤだよ。」
👨 私
「たしかに……。」
お互いの意見は平行線。
私は現実的に「予算」「スピード」を重視し、
妻は「理想」「満足度」を大切にしていました。
■ 住宅購入に必要な“相場観”を知ることから
このときの私は、まだ相場観がまったくなかったんです。
土地の価格、建物の坪単価、住宅ローンの金利……。
ただ、「家を建てたい」という気持ちだけが先走っていました。
その夜、私は決意します。
「次の週末、不動産業者にもう一度話を聞いて、資金計画を立てよう」と。
👨 私(心の声)
「焦って決めたら後悔する。
でも、チャンスを逃すのも怖い。
“家づくり”って、こんなにも気持ちが揺れるものなんだな……。」
■ まとめ:建売か注文住宅かで迷う人へ
実際に現地を見て、営業マンと話し、妻と議論してみて思ったのは、
「どちらが正解」というものはないということ。
重要なのは、**“自分たち家族が何を大切にしたいか”**を明確にすること。
- 価格・スピード・手間を重視するなら建売住宅
 - 自分たちらしさや設計の自由度を求めるなら注文住宅
 
どちらを選ぶにしても、タイミングと情報収集がカギになります。
👩 妻
「とりあえず、もう一回話を聞いてからでも遅くないよね。」
👨 私
「そうだね。次は“お金の話”をしよう。」
次回は、ついに不動産業者との資金相談編。
家づくりの現実が、少しずつ見えてくることになります。
📝 次回予告:#3 住宅ローンの壁!理想と現実のギャップ
夢のマイホームに向けて動き出した私たち。
しかし、最初に立ちはだかったのは「予算」の壁でした——。
  
  
  
  