#5 分譲マンションに住んで5年のリアル


〜ファミリー世帯が感じた“マンションの限界”と“戸建てへの期待”〜


「気づけば、もう5年か。」
ある日、ベランダで干した洗濯物を眺めながら、ふとそう思った。

5年前、私たちは初めて「分譲マンションの鍵」を受け取った。
そのとき妻は、ちょうどお腹の中に小さな命を宿していた。
あの頃は、

「この部屋で新しい家族と暮らしていくんだ」
と、胸を躍らせていた。

しかし、5年が経ち、子どもが成長し、生活リズムが変わるにつれて――
かつて“理想の住まい”だったマンションに、少しずつ“暮らしの限界”を感じ始めた。


■ 賃貸から分譲へ──あの頃の決断

私たちが分譲マンションを購入したのは、ちょうど30代半ば。
それまで賃貸アパートに暮らしていたが、家賃が月12万円。
「これだけ払うなら、ローンを組んでマイホームを買ったほうがいいのでは?」
という、よくあるきっかけだった。


👩‍🦰 妻の声(吹き出し)

「子どもも生まれるし、そろそろ“自分の家”が欲しいよね。」


私たちが選んだのは、駅徒歩10分、70㎡の新築ファミリー向け分譲マンション。
立地も良く、周辺にはスーパー、保育園、公園も充実していた。
同じように子育て世帯が多く、入居当初は“理想的な暮らし”が始まると思っていた。


■ 分譲マンションに住んで良かったこと(メリット)

① 駅近の立地が圧倒的に便利

最大のメリットは、立地の良さだ。
朝、子どもを保育園に送り、そのまま駅に直行できる。
共働き世帯にとって、この「時間の節約」は本当に大きい。


👨‍💼 私の声(吹き出し)

「駅まで10分以内。雨の日でも苦にならない。これがマンションの最大の強みだな。」


戸建ての場合、駅から距離があるケースが多く、
特に子育て期には「送り迎え」「買い物」「通勤」が重なると負担が大きい。
マンション生活は、この点で本当に助かっていた。


② 管理・防犯面の安心感

マンションは、オートロック・防犯カメラ・管理人常駐といったセキュリティが充実している。
子どもを育てる環境として、安心感が高かった。


👩‍🦰 妻の声(吹き出し)

「オートロックのおかげで、夜でも安心して過ごせたね。」


ゴミ出しも24時間OK。
共用部分の掃除も管理会社が行ってくれる。
日々のメンテナンスに時間を取られずに済む点も、働く世帯には大きなメリットだった。


③ 近所づきあいが“程よい距離感”

マンションでは、上下左右に住人がいるが、
意外にも「必要以上に干渉されない」という心地よさがある。

同じフロアに同年代のファミリーが多かったため、
子どもの年齢が近く、自然と挨拶や交流も生まれた。


👨‍💭 私の心の声(吹き出し)

「適度な距離感。自治会の負担も少なく、煩わしさを感じなかったな。」


戸建てのように町内会や近隣付き合いのしがらみが少ない点は、
内向的な私たち夫婦にはちょうどよかったのかもしれない。


■ それでも感じた“分譲マンションの限界”

では、なぜ今、私たちは戸建てへの住み替えを考えているのか。
理由は、シンプルだ。
子どもが成長し、「モノ」と「生活」が増えたからだ。


① 収納が圧倒的に足りない

子どもが生まれてからというもの、洋服・おもちゃ・学用品がどんどん増えていった。
70㎡のマンションでは、どんなに工夫しても収納スペースが足りない。
ウォークインクローゼットもパントリーもなく、
押入れやクローゼットに無理やり詰め込む毎日。


👩‍🦰 妻の声(吹き出し)

「どれだけ片づけても、すぐ散らかるのよね。収納が“ない”って本当にストレス。」


洗面所に収納棚を追加し、ベランダに収納ボックスを置き、
それでもスペースは足りない。
子どもが成長するにつれて、
家そのものが小さく感じる」ようになっていった。


② 洗濯物がリビングを占領する

共働きの私たちは、平日は家事に時間をかけられない。
夜に洗濯をして、翌日までリビングで乾かすこともしばしば。

結果、リビングが常に洗濯物であふれる
来客のときに慌てて片づける――そんな日常が続いている。


👨‍💭 私の心の声(吹き出し)

「ランドリールームさえあれば……。」


この思いが、今の「戸建てに対する憧れ」につながっている。
ランドリールームやファミリークローゼット、パントリー。
マンションでは叶わない“暮らしの余白”を求めているのだ。


③ 管理費・修繕積立金の負担

マンションは月々の管理費・修繕積立金がかかる。
我が家の場合、毎月合わせて約2万円
ローンの返済とは別に、固定的な支出として重くのしかかっている。


👩‍🦰 妻の声(吹き出し)

「築5年でももう修繕費が上がるなんて…。この先どうなるの?」


長期修繕計画によって、10年・15年と経つうちに積立金が増額される。
ローン完済後も支払いが続くと考えると、
“所有しているのに維持費がかかる”という矛盾を感じてしまうのだ。


④ 子どもの足音・生活音のストレス

子どもが走り回るようになってから、下の階への配慮が欠かせなくなった。
カーペットを敷き、防音マットを設置し、
それでも「ドン!」という音が響くたびにヒヤッとする。


👨‍💭 私の心の声(吹き出し)

「自由に遊ばせてあげたいのに、常に気を使う生活。
これがマンションの最大のストレスかもしれない。」



■ 戸建てへの期待──“音・空間・自由”のある暮らしへ

ここまでマンションの現実を語ってきたが、
もちろん戸建てにもリスクやデメリットはある。
ただ、私たちが求めているのは「今の暮らしを少し広げたい」というシンプルな願いだ。


① 収納の自由度が高い

戸建てなら、パントリー・ウォークインクローゼット・ランドリールームなど、
自由に間取りを設計できる。


👩‍🦰 妻の声(吹き出し)

「洗濯して、そのまま干して、しまえる動線があったら最高だよね。」


収納を増やすだけでなく、“生活導線”を整えることで、
家事の負担を大幅に減らせる可能性がある。


② 音を気にせず暮らせる

子どもがリビングを走り回っても、誰に気を使う必要もない。
庭があれば、家庭菜園やプール遊びもできる。
家族がのびのび暮らせる」という安心感は、戸建てならではだ。


👨‍💼 私の声(吹き出し)

「休日の朝、少し早起きしても遠慮せずに動ける。
そんな小さな自由が、実は一番大きい。」


③ 維持費は自分次第

戸建てには、マンションのような管理費・修繕積立金はない。
もちろん、自分で外壁や屋根のメンテナンスを行う必要はあるが、
「自分のペースで管理できる」というのは大きな利点だ。


■ それでもマンションには“手放しがたい魅力”もある

一方で、5年間暮らしてみて改めて感じるのは、
マンションの“利便性と快適さ”だ。
駅近・管理の手軽さ・防犯性――。
これらをすべて兼ね備えた戸建ては、正直、なかなか見つからない。


👩‍🦰 妻の声(吹き出し)

「便利さでは、やっぱりマンションに勝てないよね。」


つまり、どちらが「良い・悪い」ではなく、
ライフステージに合った住まいを選ぶことが大切なのだと気づいた。


■ まとめ:5年暮らして見えてきた現実

観点分譲マンション戸建て住宅
立地◎ 駅近・利便性△ 駅から遠いことが多い
防犯性◎ 管理体制が整う△ セキュリティは自己管理
収納△ 限られる◎ 自由に設計可能
騒音△ 上下階に配慮必要◎ 自由度が高い
維持費△ 管理費・修繕費あり○ 自己管理だが自由
コミュニティ○ 適度な距離感△ 地域差が大きい

👨‍💭 私の心の声(締めの吹き出し)

「5年暮らして分かった。マンションは“便利な箱”だけど、
家族が増えると“余白が足りない”。
次の家では、その“余白”を大切にしたい。」